ティーバッグのお茶とお菓子
条件に合う菓子であれば良いでしょう。
しかし茶の流行によって製菓も進歩してきたけれど、実際茶に適した菓子の少ないのは、製菓を扱う店に茶味がないからであるともいえます。
明治晩年から沈滞していた茶の湯が、盛んになり、茶席の新築が行なわれて、道具自慢の茶会が催され、懐石を濫用して、茶席が料亭とはき違えられての暴飲美食は、まったくの体を乱して、利休居士の茶の本意に背いたものです。
それがため、せっかくの茶会にしても、茶は飲食の添えであるように思う人があるのは、大きな間違いです。
茶が懐石から軽視されたと同様に、菓子がまた茶から離れた扱いを受けているのですが・・・
それは、昔から茶と切り離すことのできぬ菓子について、亭主があまりにも客に対して心入れが足らず、真の方式からはずれて形式的に出される菓子が多いからです。
菓子一つといえども軽視せず、心入れのある菓子を差し上げるべきです。
たとえティーバッグのお茶を出すとしても、です。
菓子店の菓子でも、凝って手際よく立入り過ぎたものをよく見かけますが、碁に打ち過ぎがあったり、将棋に指し過ぎがあるように、過ぎることは控えねばなりません。